ツール・ド・フランスとは
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4つの特別なジャージ
ツール・ド・フランスに出場する選手は基本的に所属チームのジャージを着用して走りますが、各ステージ終了時点で成績トップの選手にはその日の表彰式で大会の特別なジャージが与えられ、翌ステージはこれを着用して走ります。
ジャージを手にした選手とそのチームメイトは、最終日のパリ・シャンゼリゼのゴールまで、ジャージを守り抜くために走るのです。
総合時間賞(マイヨ・ジョーヌ)
毎日の各ステージのフィニッシュタイムが積算され、各ステージ終了時点で最も合計時間の少ない選手に、黄色いジャージ「マイヨ・ジョーヌ」が与えられます。
パリ・シャンゼリゼで行われる最終ステージをゴールした時にマイヨ・ジョーヌを与えられた選手が、その年のツール・ド・フランス王者(総合優勝)となります。
平坦から山岳、タイムトライアルまでこなせる「オールラウンダー」と呼ばれるマルチな脚質を持った選手がチームのエースとなり、共に走るチームメイトの支援を受けながら全21ステージを誰よりも速く走ることで、初めてこの栄誉を手にすることができます。
ポイント賞(マイヨ・ヴェール)
各ステージのゴールや中間地点には、「スプリントポイント」が設けられており、ここを上位で通過することでポイントが得られ、積算されます。各ステージ終了時点で最も合計スプリントポイントの多い選手に、緑色のジャージ「マイヨ・ヴェール」が与えられます。
平坦ステージでのゴールスプリント勝負を得意とする「スプリンター」と呼ばれる屈強な脚質を持つ選手が目指す賞です。
山岳賞(マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ)
各ステージの主要な上りの頂上には、「山岳ポイント」が設けられており、ここを上位で通過することでポイントが得られ、積算されます。各ステージ終了時点で最も合計山岳ポイントの多い選手に、白地に赤の水玉ジャージ「マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ」が与えられます。
山岳ステージの上りを得意とする「クライマー」と呼ばれる脚質を持つ選手が目指す賞です。
新人賞(マイヨ・ブラン)
開催年に25歳以下の選手の中で、各ステージ終了時点で最も総合時間の少ない選手に、白いジャージ「マイヨ・ブラン」が与えられます。
日本語で新人賞と呼ばれることが多いのですが、正しい意味合いとしては、ヤング・ライダー賞です。
マイヨ・ブランを着用した選手は、将来のマイヨ・ジョーヌ候補として注目されます。
その他の賞
ステージ優勝
各ステージを1位でゴールすると、ステージ優勝者として表彰されます。ツール・ド・フランスのステージ優勝は自転車選手のキャリアにおいて絶大なものとなるのです。
敢闘賞(ドサール・ルージュ)
各ステージで最も果敢な走りを見せたと認められた選手に与えられるのが「敢闘賞」です。その証として、赤いゼッケン「ドサール・ルージュ」が与えられます。
敢闘賞は他の賞とは異なり、審査員の主観で選ばれます。
この賞は過去に日本人選手も受賞しています。日本人として初が、2009年の第21ステージで別府史之が受賞。2012年の第4ステージと2016年の第6ステージの2度、新城幸也が受賞しています。
すべての選手が上位を目指すわけではない?
自転車ロードレースはルール上は個人競技であり、個人が表彰されます。しかし実際にはチームメートの支援なくして表彰台に立つことは難しく、事実上のチーム競技となっています。
したがって出場選手のほとんどは、自分が勝つためではなく、チームのエースを勝利に導くためのアシストという役割を担って出走しているのです。
記録に残ることのないアシストたちの献身も、自転車ロードレースの見どころのひとつです。