フランス1周レース?
ツール・ド・フランスは「フランス1周レース」などと呼ばれることもありますが、厳密に1周するというわけではなく、各地で全21ステージのレースを転戦しながら、フランス全土おおよそ1周を巡る。という大会です。
パリの市街地から、アルプスやピレネーの山岳地帯まで、様々なステージが設定されています。
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2017年大会のコース概要
7月1日に開幕する2017年大会は、9つの平坦ステージ、5つの中級山岳ステージ、5つの上級山岳ステージ、2つの個人タイムトライアルステージで構成されます。
ツール・ド・フランスは、年によっては国境を超えフランス国外を通ることも少なくなく、今年はドイツのデュッセルドルフが第1ステージのスタート地点(グラン・デパール)となります。
ステージの種類
平坦ステージ
大きな上り区間のないステージです。200kmを超える長距離が設定されていることが多いですが、ゴールまでタイム差がつきにくく、大集団のままゴール前でのエーススプリンター達によるスプリント勝負に持ち込まれる展開となる場合がほとんどです。
エーススプリンターを有しないチームは、なんとか逃げ切りでのステージ勝利を狙いスタート早々からメイン集団を離れ逃げグループを形成しますが、徐々に集団にタイム差を詰められ、ほとんどの場合、ゴール前には虚しく吸収されてしまいます。
フランスの田舎道を走るのんびりとした風景と、終盤の位置取り争いからの迫力のゴールスプリント勝負が見どころです。
中級山岳ステージ
カテゴリー3級〜1級の山岳ポイントを含む峠道がレースの舞台となります。
上りを得意とするクライマーは逃げ切り勝利のために、勾配のキツいポイントで果敢にアタックをかけステージ優勝を目指します。
上級山岳ステージ
1級山岳よりもさらに難易度の高い超級山岳ポイント(HC)、もしくは超級山岳の山頂ゴールが登場する過酷なステージです。中には超級山岳ポイントを複数回通過するステージもあります。
総合成績に大きく左右する重要なステージであり、総合優勝を目指すトップ勢による熾烈な戦いを見ることができるでしょう。
アルプス山脈やピレネー山脈の、標高2,000mを超える峠道の美しさも見どころです。
個人タイムトライアル
通常のロードレースとは異なり、選手1人ずつスタートし、タイムを競うステージです。
集団走行とは全く異なるこのステージを勝利するには、風よけになってくれる選手がいない状態で走り続けることのできる「独走力」が必要です。
そして総合上位、マイヨ・ジョーヌを目指す選手にとってもこのステージは非常に重要です。タイムトライアルステージのタイムもそのまま総合タイムに積算されるので、独走力に優れた選手でなければ、決してツール最終日にマイヨ・ジョーヌを手にすることはないのです。
チームタイムトライアル
チームごとに出走するタイムトライアルステージです。
風よけの先頭交代を繰り返しながら非常に高速で走り抜けます。チームの出場選手は9名ですが、ここまでのステージで脱落した選手がいればそのチームは不利になります。
出走選手の中で後ろから3番目にゴールした選手のゴールタイムが、そのチームの成績となり、各選手の個人総合タイムにも積算されます。
チームタイムトライアルステージは、設定がない年もあります。今年2017年大会では、チームタイムトライアルステージはありません。